机の引き出しの奥に・・・

年度替りの3月下旬から4月はじめは毎年机の引き出しの掃除と決めていた。
だが、今年はいつもの年と違ってしまった。原因は東日本を襲った大地震である。
激変の災害情報がいまは「日常」のこととなり、朝から夜までそのニュースを追う生活が続いている。

それでも今は少しは落ち着きを取り戻してきたのであるが、新年度のスタートはまだ本調子ではない。

脇机の引き出しの一つ、重たいその中身を今も改めている。何年も寝かしているシャープ製の「電子手帳」の仲間たちだ。総勢8体。小型のカード交換型のもの4体、少し大きめのもの3体、さらに大型のものが1体。

新型、改良型が出るたびに飛びついて手に入れた、当時の宝物としていつもかばんに忍ばせて歩いた「友」であった。カードには英和・和英辞書、英会話集、国語・漢字辞書、語彙集等があり、いちいち入れ替えて使っていた。今では携帯やパソコンで、はるかに豊富な内容の情報が検索でき、とうとう机の奥に追いやられてしまった者たちである。
電気・電子計算機もその奥に数対眠っている。

ほかの電化製品と同じく文房具などの小物にもバブル全盛期の大量生産大量消費の「熱」に浮かされた自分の実相の証拠品が今も机の奥に眠っている。・・・・・・