たった一つの金

 女子フィギュアスケート・シングル競技は見事だった。
日本の荒川静香が見事1位に輝き、金メダルを獲得した。日本人が、アジア人が始めて取った金メダルとテレビの解説も流れていた。
「やればできる」の教訓が再確認された。
荒川にとっては、過去にオリンピックの代表を逃したとき一時は引退を決意したとも言われていたが、見事悲願を達成できた。「私にとって、金メダルは人生の金メダルでもあります」といった。間違いなく、長年の努力に報いるご褒美であった。

 4位入賞の村主章枝も良くがんばっていた。大きなミスもなくやり終えた後の評価に反論は許されないが、大方の印象と採点の開きがいつも気になることである。そして、大会ごとに変えられる採点基準が不幸を招くことになる。全選手共通の条件とはいえ、何か疑義を挟みたくなるような気がしてならない。彼女もその不運なひとりになったのかもしれない。

 評判の高かった4回転ジャンプに挑んだ安藤美姫は若さが出てしまった。挑戦は大事ではあるが採点競技に失敗は許されない。若さゆえの荒削り演技を許したコーチの考えを聞きたいものだ。でも、次を狙える若さがある。第二の荒川を目指してがんばってほしい。

 ほかの競技種目にもいえることだが、オリンピックに期待する国民やマスコミからの重圧で日本人選手勢は十分力量を発揮できないで終わったようである。あと一息で入賞や、メダルに手が届く位置にいたことが分かり、また次に期待できることを確信した。