AM電波とインターネット連結

今回のライブドアニッポン放送株買い付けの動機が、AM電波の多角的利用の一環からだとする見方がある。そうであれば誠に良いことであろう。
今はテレビ全盛の電波時代、しかもデジタルへ移行している。
AMがかつて国民の娯楽の担い手であったことを忘れてしまっている。
「電波は公共のもの」、株買占めで支配してはならないと、大臣までが口を挟む今回の騒動はちょっと的外れの注釈が多すぎる。
認識がふるいというか、考えがないというか、的外れの意見が多すぎる。
折角の「公共の電波」の有効利用を果たさない執行者へその無責任の攻めを向けるべきなのに、一人堀江青年社長を槍玉に挙げようとする。
マスコミ全体の取り上げ方も妙に捻じ曲げられているようだ。

先の朝日新聞対NHKの騒動にも現れた、マスコミの物言わぬ取材報道の姿勢が感じられる。
もっとベテランが前面に出て取材し解説し、社会を啓発すべきではないだろうか。
知識の乏しい取材記者を走らせ、的外れなキャスターの解説など、テレビの有効な利用にも反している。株式評論家も同罪である。これまで多くの時間外相対取引が行われていることを承知しながらそのことを指摘しないで、今回のライブドアの株式取引をことさらにあげつらう事はバランスを欠くのである。

AM放送と視聴者との交流は、一時期、電話やファックス、葉書等のやり取りで若者を虜にした。
今でも深夜放送はそうした若者の「楽しい広場」となっている。ここに目をつけたインターネットからのアプローチに新たな価値を生み出そうとする機運が感じられるのだ。
AMの電波の有効利用を怠っているのは今の執行者の側にある。ここを突破しようとする若き勇者の思いを是非とも応援したいものである。
「電波の私物化を許さない」とは、有効利用を考えない今の執行者へ向けられるべき言葉であろう。