極寒の朝に

「きさらぎ」は(更に着る?)意か?
 二月に入りまた一段と 寒さが厳しくなった。
 山の雪は何時止むか?寒気はいつ去るか?   

 朝起きて、表の白いものを見た。霜柱ではない。
 夕べ降った雪だろうか。
 枯れ枝には枯葉一枚もなく、風はからからと吹かない静かな朝。

 こんな寒い朝は小鳥も来ない。 
 ツゲの木の下で待つ黒猫よ、えものは来ないぞ。
 小走りに空を睨みながら戸口に消えた。

 牛乳配達の瓶の音があたりの静寂をこわすも直ぐに、
 寒い朝の空気が凍る。

 蕾が膨らんできた梅の木ひとり、大きく深呼吸しているように
 枝を伸ばしている。

   立春や 極寒の朝 梅おきる